第参話(ラストブログの下書き)

 こんにちは。東京工業大学4年の濱田です。早いものでもう4年生です。今までの大学生活を振り返ると、間違った選択の連続で戻れるものなら戻りたいと切に願う3年間でした。私は少し生きるのが下手なようです。ですが、「終わり良ければ総て良し」という言葉があるように今年こそは悔いが少なくなる選択をしようと思います。

 早速ですが、この4月をもって私は担任助手を辞めます。そもそもこのブログで僕の存在を知ってくれた人はいきなりこんな話をしてしまいすみません。皆さんに伝えたいことをちゃんと伝えるだけの文章力を兼ね備えていないのでぜひ温かい目で最後まで見てくれたらなと思います。責めるならまともに本を読まなかった僕の少年時代を責めてくださいね。

 まず、僕の性格面について少し話させて下さい。担任助手をやっている人は全員「人を指導するのが好き」とか「リーダーになるのが好き」と元来思われがちですが、僕は全く逆の人間でした。部活でもクラスでも決して褒められたことではない行いをし、これでもかというくらい先生や親に怒鳴られました。では、なぜ担任助手になったのか。それは僕の担当であり、今年担任助手を卒業された市岡さんに誘われ、たまたま、中学の時仲が良かった北原君が担任助手をやるということを聞いたからです。

 この話から分かるように担任助手をやるにあたり、僕の意思はほとんど干渉していません。というより、当時まで人生を左右する選択を迫られたときただの一度も自分で決断したことがありませんでした。このことに気づいたのが大学1年生の時です。担任助手になったということは、自分が受け持った担当生徒の将来に少なからず関与し、そこには責任が生じることを自覚しなければいけないということです。自分のことすら決めることができない人に他人の将来をどうこう言う資格があるのかと、担任助手を始めたころは思ってました。しかし、この悩みを解決するには答えは自明で、まず自分の振る舞いを変えることから始めました。3年前に比べてだいぶ自分で決断できるようになり、担任助手生活を通して人として成長できたかなと思ってます。その根本にあるのは、受け持った生徒の期待に応えたいという思いがありました。本来、担任助手は生徒を指導する立場にあります。僕が皆さんの力になれたかは分かりませんが、僕は間違いなく皆さんに力をもらいました。この場を借りて、僕が3年間受け持った全生徒に感謝の意を伝えたいと思います。ありがとうございました。

 最後にもう一つ伝えたいことがあります。それは皆さんの「存在意義」についてです。いきなりですが自分の存在意義について考えたことはありますか。例えば、とても顔立ちが整っている人はアイドルグループに入り自分を出していくでしょう。とても野球が上手い人はプロになり自分を出していくでしょう。それでは皆さんは何か人より長けた分野がありますか。例え話で出した顔立ちの良さや野球の実力は、ほとんど生まれたときに決まっています。後からどうこうできる問題ではありません。しかし、世の中には自分の努力次第でいくらでも他人より圧倒できるものがあります。それは、今皆さんがしている勉強です。もちろん勉強はセンスという考えは否定はしません。ですが、顔立ちの良さや野球の実力に比べたらなんとでもなるでしょう。受験の相手は自分と同じ高校生です。他の人にできて自分にだけできないなんてことあるわけありません。もし、受験本番で正答率が高い問題を落として不合格だったら、結局最後に合否を分けたのは努力量の差なんてとても悔しくないですか。さて、「存在意義」の話に戻しますが、僕は、存在意義は他人から見た自分の「存在意義」と自分自身で感じる「存在意義」の二つあると思ってます。前者に関しては、誰かにとって自分が特別な存在であると感じるときに存在意義が生まれます。例えば、お父さんやお母さん、友達や先輩、後輩、恋人といるときです。これはもちろん全員に当てはまりますが、なかなか自分で「俺って特別だな」なんて感じることは出来ませんよね(笑)。つまり、自分自身で存在意義を探さなければ、存在意義を感じることは出来ません。それは、「生きている」ことでもいいと思います。ただ、僕は他人や何かに勝つことで存在意義を感じるようにしています。結局、受験も就活も誰かが受かれば誰かが落ちる勝負の世界です。負けて得ることはあっても決して勝って得るものより多いことはありません。最後に皆さんに伝えたいことは「自分の存在意義を示すべく勝利に飢えてほしい」ということです。一つの試験、一つの模試どれをとっても、全力で取り組んでみてください。負けたときはまたその時考えればいいです。皆さんのいい知らせが聞けることを楽しみに僕のラストメッセージとさせていただきます。柄にもなく暑苦しい文章、最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

4年 濱田 隼